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週間コラム3:
病院・施設におけるニュークックチルとは?

クックチルに対して何故「ニュークックチル」という呼び名を付けたのか?

それをご理解いただくためには、従来の病院給食の現場に導入されて来たクックチルシステムが、今、三つの問題点を抱えている事をお話する必要があるでしょう。そして、そこに、「ニュークックチル」による「問題解決:ソリューション」を重ね合わせて見ましょう。
ひとつは、コストダウンの問題です。
食中毒防止よりも、現在の厳しい経済情勢の中、クックチルを導入する病院・施設側としては、コストダウンの方がはるかに魅力的であることは、間違いの無い事実でしょう。 クックチルの導入には、合理化を実現できるというメリットが以下の様に上げられています。
・作業が平準化できるので、スタッフの人件費のコストダウンが出来る。
・材料購入が計画的に行えるので、無駄が出ない。
しかし、従来のクックチルは、再加熱直後の配膳であり、保温であったために、スタッフの人件費のコストダウンと言う、もっとも目に見える部分のコストダウンが上手く行かない例が多く出てしまったのです。

コストダウンの問題点
@ 芯温75℃以上での配膳:芯温75℃以上で加熱された食品は、手で直接持つと火傷をしてしまいますから、必然的にトングや菜箸を使っての配膳になります。そしてこの作業は意外に効率が悪く、多くのスタッフを必要とします。また、トングによって食品の形を損ねてしまう危険性もあります。

ニュークックチルによる問題@解決:チルド配膳
ニュークックチルでは、この配膳作業を「チルド状態:0℃〜3℃」で行います。この温度帯で行う事の最大のメリットは、手(もちろん使い捨て手袋をしてアルコール消毒を施します)で直接食品を持って配膳出来る事にあります。両手がスムーズに使えますから、トングや菜箸を使って配膳した場合の3倍以上のスピードで行えます。時間に換算すれば3分の1、スタッフの人数に換算しても3分の1の人数で配膳が完了する事になります。

A 再加熱作業:再加熱は、最初の本格的な加熱に比べ、はるかに短い時間で行えると考えられがちですが、事前にしっかり冷蔵状態まで温度が下げられておりますから、意外と時間を必要としてしまいます。しかも、最初の加熱とほぼ同数に近いスタッフを必要としますので、人件費のコストダウンは、あまり実現しません。

ニュークックチルによる問題A解決:自動再加熱の採用
再加熱カートに入れる食品は、すでにトレー(お盆)の上に一人前ずつ食事がセットされたチルド状態で配膳が終了しています。後は、チルド状態で再加熱スタートの時間まで維持し、冷たいまま食べる食品はそのままに、温かい状態で食べる食品の部分だけを自動的に再加熱(75℃以上、1分以上)し、再加熱カートからトレーを取り出して、配るだけです。
再加熱カートは、移動が可能な方式ですから、そこに電源さえあれば、もっとも食事をするのに近い場所で、システムを使う事が出来ます。つまり、移動式のコンベクションオーブンであり、ブラストチラーであり、冷蔵庫であり、保温庫であるのです。
よって、この自動再加熱という手法を採用すれば、この段階では再加熱を行う(朝食の場合などは、早朝出勤する)スタッフは必要ありません。厨房スタッフでない、看護婦さんや看護士さん、食事をする患者さんそのものでも(可能であれば)良いのです。これも、大変な人件費のコストダウンになります。

ふたつめは、やはり、食品安全上の問題です。

食品安全上の問題点

@ 芯温75℃以上での配膳:トングや菜箸による効率の悪い配膳は、時間がかかります。そして、食品の温度はどんどん下がって行きます。食品の温度が下がる事は、食中毒菌による二次汚染が起こった場合、食中毒菌にとって最適の温度と時間を与えてしまう事になります。食中毒菌がもっとも繁殖しやすい温度は、30℃〜60℃、つまり非常な危険な温度まで食品の温度が下がってしまう可能性があるのです。

ニュークックチルによる問題@解決:チルド配膳
チルド状態による配膳作業は、両手で食品を持つ事が出来るために短時間で行う事が出来、しかも、食中毒菌による二次汚染が発生したとしても、その繁殖に適した温度(30℃〜60℃)まで食品温度が上昇する事はありませんので、安全な条件下で配膳を完了させられます。

A温冷カートによる配食:温冷カートとは、あくまでも保温・保冷を目的として作られたものですので、短時間で積極的に下がってしまった温度を上げたり、上がってしまった温度を下げたり、つまり、食品の温度を復帰させるという機能は持っていません。つまり、温冷カートは、HACCPに適合した食品の温度管理の保証が行えない器具なのです。

ニュークックチルによる問題A解決:ブースター機能
再加熱カートと温冷カートの最大の違いは、積極的に食品を狙った温度まで温度を上げたり(コンベクション機能)、積極的に狙った温度まで温度を下げたり(ブラストチラー機能)する機能を持っているという事です。そしてそれらの温度は全てチェックする事ができます。再加熱カートに入れられた食事は、速やかかつ積極的に安全な温度にまで冷却され、必要に応じて自動再加熱されるのです。
HACCPに適合したモニタリングシステムとの連動も可能ですので、食品の温度管理の保証が労力(人件費)をかけずに安心して行えます。

最後、三つめは、なによりも大切な美味しさの問題です。

美味しさの問題点

ヒーターやIHによる再加熱:従来も再加熱カートは存在していましたが、いずれも加熱方法が、下面 や下面及び側面のみのヒーターやIHによる加熱が主流でした。この加熱方法は、汁物や煮物など、比較的水分の多い食品の場合には問題無く熱交換が行われ、美味しく食べられるのですが、天ぷらフライなどの揚げ物については、表面 がべた付いてしまいました。また、日本食では欠かせないご飯の再加熱でも充分な食味を再加熱によって取り戻すことは出来ませんでした。また、高価な専用の器を使わないと機能しないという不便な点もありました。

ニュークックチルによる問題解決:コンベクションヒーティング
コンベクションヒーティングシステムを持つ再加熱カートの採用は、天ぷら・フライ・焼き物・ご飯など、バラエティーに富んだ日本食を、美味しく再加熱することを実現致しました。強制的に熱風を送り込んで食品を包み込みますので、ムラなく、美味しく再加熱出来るのです。
天ぷら・フライは、揚げたての様にパリッとした食感を取り戻し、ご飯はふっくらと蘇ります。病院・施設に暮らす人々の最大の楽しみは食事です。
何よりも重視しなければならないのは、美味しさなのではないでしょうか?。 (IKKO)

■コラム1「〜茹でるから蒸すへ〜」


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