例えば、加熱直後のシチューを「今日は食べないから保存したい!」と考えて鍋のまま冷蔵庫に入れたとしますと5℃程度に保たれていた冷蔵庫の庫内温度は、どんどん上昇して30分後には20℃以上に到達します。そして数時間かけて元の5℃に戻っていく・・・。このシチューにもし有害微生物が混入していたとすればHACCPで言う「危険温度帯」に数時間さらされ、有害な微生物に繁殖のチャンスを与えているという事になります。そして、先に冷蔵庫に入れられていた食品も同様の温度環境となる訳ですから、やはり有害な微生物が居れば繁殖のチャンスを得る訳です。
また、こういう事を繰り返した冷蔵庫は、庫内を設定温度に戻す為にずっとコンプレッサーモーターが廻り続ける事になりますから機器寿命が短くなりますし、すぐに故障してしまう場合もあります。
極端な例を上げましたが、冷蔵庫は「積極的に食品の温度を下げる」為の機器ではありませんから当然の事なのです。
ただ、冷却機と言ってもそれぞれに特長があり、調理メニューに対しても、また調理のシステムに対しても向き不向きがあります。ですから、矢張り調理のシステム、調理の量、調理のアイテムを充分に練り上げた上で冷却機の選定はされなければなりません。
そして、特に冷却機にとって必要なのが能力の見極めです。まあ、どんな調理機器にも言える事ですが、最低冷却能力が最低8℃なら8℃で使ってはダメなのです。ずっと調理システムの流れの中で使い続けるのですから機械の性能が完全な状態で発揮できる設定でなければならない。限界が8℃なら通常の使用は15℃程度でしょう。車のエンジンでも常にレッドゾーンのギリギリで使い続けたらすぐにパワーダウンし、故障してしまいます。