1. HOME
  2. 服部工業のメディアサイト
  3. コラム
  4. セントラルキッチン(CK)のつくり方|失敗しないための5つの手順と成功のポイント

セントラルキッチン(CK)のつくり方|失敗しないための5つの手順と成功のポイント

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
セントラルキッチンコラムサムネイル。背景は清潔感のある中規模セントラルキッチンの可動前の様子

多店舗展開や人手不足解消の切り札として、セントラルキッチンの構築は大きな目標への一歩です。
しかし、いきなり巨大な施設を建てることだけが正解ではありません。
最近では初期投資を抑えるために小規模な拠点からスタートしたり、居抜き物件を活用したりするケースも増えています。
本記事では、創業140年の業務用厨房機器メーカーとしての知見と、自社グループで1日約2,500食の給食センター(クックチル方式)を運営してきたノウハウをもとに、「失敗を未然に防ぎ、理想の厨房づくりを着実に進めるための手順」を実務の視点から解説します。

 


 
 

目次



目次へ戻る 


1.「戦略的」に始める選択肢

大きな投資を伴うからこそ、まずはリスクを抑えて試験的に運用を始め、徐々に拡大していく手法も有効です。

・ミニマムな拠点(マイクロセントラルキッチン)からのスタート:既存店舗の厨房を拡張したり、数店舗分に特化した小さな拠点から始めたりすることで、投資を抑えつつノウハウを蓄積できます。
・外部パートナー(OEM)の活用:自社施設を持つ前に、信頼できる製造拠点へ一部を委託し、味の再現性や物流をシミュレーションするのも、成功への確かなステップです。

 

目次へ戻る 

2.セントラルキッチン立ち上げの5ステップ

ステップ①:目的の明確化と「最適なサイズ」の決定

まずは「何を実現したいか」を軸に、手法を選びます。
この段階で、新築、居抜き、あるいは既存厨房の拡張といった方向性を判断します。

ステップ:施設選定と「チーム」の結成

計画が始まると、複数の専門家との連携が必要になります。

・建設会社・設計会社:建物の構造、内装、電気・ガス・排水の工事を担います。
・厨房機器メーカー:調理目的に合わせた厨房レイアウトの提案、最適な機器の選定をサポートします。

【厨房機器メーカーとしての立ち位置】
施設計画や建築工事は、建設会社・設計会社を中心に進められますが、私たちは「どうすれば厨房機器の性能を十分に引き出せるか」という視点で、お客様のチームの一員として調理現場の設計をサポートします。

【実務の視点:物件選びの注意点】
セントラルキッチンは大量調理を行う「工場」の側面を持つため、一般的な店舗以上に排水・臭気・騒音への配慮が求められます。
また、床面積が200㎡を超える物件では、建築基準法上の「用途変更」手続きが必要になり、多額の費用や期間がかかる場合があるだけではなく、許可が下りないリスクもあります。
「そもそも運営ができない」という事態を防ぐため、物件確定前に建築士や専門家へ法規確認を依頼しておくことが重要です。

ステップ:動線設計と保健所への事前相談

物件が決まったら、「汚染区と清潔区を分けるゾーニング」を最優先に図面を引きます。
ここで大切なのは、設備を入れることだけでなく、保健所の「営業許可」を確実に取得できる設計にすることです。

・一方通行(ワンウェイ)の徹底:原材料の入荷から下処理、調理、冷却、梱包、出荷までが逆流しない動線になっているかを確認します。
この「交差汚染を防ぐ動線」がHACCPの基準を満たしていないと、保健所から指摘を受け、営業許可が下りない可能性があるため非常に重要です。

・床の構造と排水の検討:床の仕上げ(ドライキッチンかウェットキッチンか)や、グリストラップの清掃しやすさなどは、保健所の基準だけでなく、日々の衛生管理のしやすさに直結する重要なポイントです。

・営業許可の確認と事前相談:セントラルキッチンに必要な許可(惣菜製造業、飲食店営業など)は、自治体や品目によって「手洗いの数」や「床の構造」に細かな指定があります。

・図面段階での「答え合わせ」:工事が始まってからの修正は多額のコストがかかります。
設計会社やメーカーと連携し、必ず図面段階で保健所へ事前相談を行い、適合確認(内諾)を得ておくことが手戻りを防ぐ最大のポイントです。

ステップ④:インフラの適合確認(特に冷却設備の負荷)

居抜き物件を活用する場合、一般的な飲食店とセントラルキッチンでは必要とされるエネルギー容量が大きく異なるため、注意が必要です。

・冷却設備の電力を最優先でチェック:食中毒リスクを抑えるための急速冷却機(ブラストチラー等)は非常に電力を消費します。
厨房全体のエアコンや冷蔵庫などの常設機器以上に大きな負荷がかかるため、契約電力の増設工事が必要になるケースが多々あります。

・事前の適合性診断でコスト増を防ぐ:大量調理用の回転釜や冷却機を同時に動かした場合の最大負荷を事前に計算します。
物件契約後に「容量不足で追加工事に多額の費用がかかる」といった事態を防ぐため、事前のインフラ診断が重要です。

ステップ:テスト運用と「現場トレーニング」

導入した厨房機器・設備をスタッフが安全かつ確実に使いこなせるよう、トレーニングを行います。
あわせて、店舗に届けられる瞬間の「品質」を客観的に確認します。

・オペレーションの習得:調理プログラムの設定や清掃手順など、誰が担当しても安定した品質が保てるよう、現場でのトレーニングを徹底します。

・配送後の再現性テスト:実際に店舗へ配送し、再加熱した際に「理想とする味」が正しく再現できているか、食感や風味の変化を丁寧に確認します。

データの検証と微調整:配送中の温度変化や店舗での再加熱条件など、実際に提供される時点の状態を数値と実食の両面から評価し、最終的な工程の微調整を行います。

 

目次へ戻る 

3.立ち上げまでのスケジュール目安

一般的に6ヶ月から1年程度ですが、新築や規模、補助金の活用、保健所との協議期間によっては1年以上を要することもあります。

時期

主なタスク

協力・相談相手

計画期

コンセプト決定、物件探し、法規確認(用途変更・200㎡等)

経営層、不動産会社、建築士

設計・発注期

厨房設計(動線計画)、保健所適合確認(内諾)、機器発注

設計会社、厨房機器メーカー

工事・搬入期

内装・インフラ工事、電力・ガス容量増設、設備搬入

建設会社、厨房機器メーカー

準備・開業期

スタッフ研修、テスト調理、再加熱・再現性テスト、保健所検査

保健所、調理スタッフ


目次へ戻る

4.理想の厨房を共に育てる

セントラルキッチンは、単なる「ハコモノ」ではなく、人・動線・衛生管理・運用まで含めた「仕組み」そのものです。
建設会社や設計会社、そして私たち厨房機器メーカー。
それぞれの専門領域を活かして協力し合うことで、初めて「安全で効率よく使える」厨房が完成します。
私たち服部工業は機器を納めるだけでなく、設計段階でのアドバイスから、稼働後のメンテナンスまで、お客様の理想を形にするための「調理現場のパートナー」として並走いたします。

服部工業が大切にしている「現場目線の厨房づくり」への取り組みや詳細は、下記のページで詳しくご紹介しています。
[▶セントラルキッチン構築の考え方と詳細はこちら]

 

目次へ戻る



5.よくある質問

セントラルキッチンの立ち上げに関して、よくあるご質問をまとめました。

Q:数店舗の規模でセントラルキッチンを検討するのは、まだ早いでしょうか?
A:全くそんなことはありません。
むしろ数店舗の段階で「仕込みの拠点」を持つことで、店舗スタッフの負担軽減と味の平準化が図れます。
最近では、まずは自動調理機器の導入からスタートするなど、事業の成長に合わせて設備を拡張していく「ミニマムな拠点」からスタートするお客様も増えています。

Q:最初は「OEM(外部委託)」から始めて、将来的に自社拠点を作ることは可能ですか?
A:はい、可能です。
まずはOEMで販売量を安定させ、将来の自社運営に向けたシミュレーション期間として活用されるケースは多くあります。
私たち厨房機器メーカーは、委託先で製造している「味」を自社厨房へスムーズに移行・再現するための、機器選定や工程設計をサポートいたします。

Q:自動調理機器を導入すると、味の質が落ちてしまわないか心配です。
A:適切に運用すれば、味の安定化が期待できます。
自動調理機器は加熱や攪拌を正確に一定に保つのが得意なため、担当者によるバラツキを抑えられるからです。

Q:居抜き物件でも、惣菜製造業などの営業許可は取れるのでしょうか?
A:一般的な飲食店向けの設備では、製造業の基準を満たさないケースが多くあります。
物件を契約する前に、設計会社の図面をもとに保健所へ「今の状態で基準を満たせるか」を確認(内諾)しておくことが重要です。

理想の厨房は一社一社異なります。
自社センターでの検証に基づいた「生きた知見」をもとに、貴社にとって最も無理のない進め方を共に考えます。
「まずは話を聞いてみたい」という段階でも、お気軽にご相談ください。
[▶ セントラルキッチン構築の相談・見学の詳細はこちら]

 

目次へ戻る
 
 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

お問い合わせ

製品の導入をご検討の方はこちら

ご利用中の方はこちら

~お電話でのお問い合わせはこちら~

0120-181-249

受付 / 平日 AM9:00〜PM6:00